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I.苦闘
真水なしではどの社会も一日すら生き延びることはできません。不毛な岩場をオアシスに変えたヒマラヤ山中の例や、人口30万人、家畜100万頭が消費する水を深い井戸から人手でくみ上げている南エチオピアのボラナ民族。古代エジプト王国のナイル流域の灌漑と現代のカリフォルニアの農場のハイテクを使った灌漑の対比。ローマ帝国が建設した水道橋と美的な噴水。アステカの水文明の地に建設された巨大都市メキシコシティーが、現在水の過剰使用で地盤沈下に苦しんでいる例など、苦闘例を紹介します。
II. エネルギー
水流の利用は人類の歴史の中で重要な革命にあたります。幾千年もの間利用できる唯一のエネルギーは人間と家畜の労力だったからです。世界最大の三峡ダム建設区間で長江の川くだりをし、世界最長の運河、大運河を航行します。ずっと規模の小さいイギリスの運河や川の落差利用が産業革命に果たした役割を考察し、最後にノルウェーで1500年前から、豊富な河川、湖、滝を水力資源としてさまざまに利用して発展してきている様子を見ましょう。
III.神話
水は物理的、美的特性から神話や宗教で特異な扱いを受けています。常に流動し、形、色、量を変えていくので、世界中の神話や宗教儀式の中で重要な役割を果たすのです。まずスカンジナヴィアの多雨海岸地帯のヴァイキングの宗教を見てから、中東の砂漠地帯の一神教の発祥の地に移動します。バイブルに沿って、イスラエルの民がヨルダンからエリコに移動する足跡を追います。またイスラム教における水の重要性を議論します。ヒンズー教におけるガンジス川の役割と聖地ヴァラナシで高く積み上げられた火葬の薪の意味を考えます。フランスのルルドでは、毎年何百万人もの巡礼者が聖水を求めて訪れています。最後にローマ帝国や現代のドイツの水治療などから入浴の歴史も取り上げます。
IV.争い
将来紛争が起こるとしたら、水をめぐるものだろうと多くが予想しています。逆に水の問題は協調を深めると考える者もいます。まず砂漠の町ラスヴェガスで、カジノの華やかさの中で、水の制御が大課題になっている事情を見ます。アフリカの心臓部のヴィクトリア湖、エチオピアから流れ落ちる青ナイル川、南スーダンの世界最大の大沼地帯、そしてエジプトへと移動し、歴史に大きな跡を残す水戦争をふりかえります。アラブ・イスラエル戦争における水の問題も取り上げます。あまり知られていない、スペインのヴァレンシアの水裁判所を紹介しましょう。ヨーロッパでも古い裁判所で、いまも機能しています。シリーズの最後はオーマンの砂漠で、2000年以上前に作られた地下水路や水のせりを見ていただきます。
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